これは、このセクションの複数ページの印刷可能なビューです。 印刷するには、ここをクリックしてください.
アプリケーションへのデータ注入
1 - コンテナの環境変数の定義
このページでは、Kubernetes Podでコンテナの環境変数を定義する方法を説明します。
始める前に
Kubernetesクラスターが必要、かつそのクラスターと通信するためにkubectlコマンドラインツールが設定されている必要があります。 このチュートリアルは、コントロールプレーンのホストとして動作していない少なくとも2つのノードを持つクラスターで実行することをおすすめします。 まだクラスターがない場合、minikubeを使って作成するか、 以下のいずれかのKubernetesプレイグラウンドも使用できます:
バージョンを確認するには次のコマンドを実行してください:kubectl version
.
コンテナの環境変数を定義する
Podを作成するとき、そのPodで実行するコンテナに環境変数を設定することができます。環境変数を設定するには、設定ファイルに env
または envFrom
フィールドを含めます。
この演習では、1つのコンテナを実行するPodを作成します。Podの設定ファイルには、名前 DEMO_GREETING
、値 "Hello from the environment"
を持つ環境変数が定義されています。Podの設定マニフェストを以下に示します:
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
name: envar-demo
labels:
purpose: demonstrate-envars
spec:
containers:
- name: envar-demo-container
image: gcr.io/google-samples/node-hello:1.0
env:
- name: DEMO_GREETING
value: "Hello from the environment"
- name: DEMO_FAREWELL
value: "Such a sweet sorrow"
-
マニフェストに基づいてPodを作成します:
kubectl apply -f https://k8s.io/examples/pods/inject/envars.yaml
-
実行中のPodを一覧表示します:
kubectl get pods -l purpose=demonstrate-envars
出力は以下のようになります:
NAME READY STATUS RESTARTS AGE envar-demo 1/1 Running 0 9s
-
Podで実行しているコンテナのシェルを取得します:
kubectl exec -it envar-demo -- /bin/bash
-
シェルで
printenv
コマンドを実行すると、環境変数の一覧が表示されます。# コンテナ内のシェルで以下のコマンドを実行します printenv
出力は以下のようになります:
NODE_VERSION=4.4.2 EXAMPLE_SERVICE_PORT_8080_TCP_ADDR=10.3.245.237 HOSTNAME=envar-demo ... DEMO_GREETING=Hello from the environment DEMO_FAREWELL=Such a sweet sorrow
-
シェルを終了するには、
exit
と入力します。
備考:env
またはenvFrom
フィールドを使用して設定された環境変数は、コンテナイメージで指定された環境変数を上書きします。
備考: 環境変数は相互に参照でき、循環して使用可能です。使用する前に順序に注意してください。
設定の中で環境変数を使用する
Podの設定で定義した環境変数は、Podのコンテナに設定したコマンドや引数など、設定の他の場所で使用することができます。以下の設定例では、環境変数GREETING
、HONORORIFIC
、NAME
にそれぞれ Warm greetings to
、The Most Honorable
、Kubernetes
を設定しています。これらの環境変数は、env-print-demo
コンテナに渡されるCLI引数で使われます。
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
name: print-greeting
spec:
containers:
- name: env-print-demo
image: bash
env:
- name: GREETING
value: "Warm greetings to"
- name: HONORIFIC
value: "The Most Honorable"
- name: NAME
value: "Kubernetes"
command: ["echo"]
args: ["$(GREETING) $(HONORIFIC) $(NAME)"]
作成されると、コンテナ上でecho Warm greetings to The Most Honorable Kubernetes
というコマンドが実行されます。
次の項目
- 環境変数の詳細
- Secretを環境変数として使用する詳細
- EnvVarSourceをご覧ください。
2 - 環境変数によりコンテナにPod情報を共有する
このページでは、Podが内部で実行しているコンテナに自身の情報を共有する方法を説明します。環境変数ではPodのフィールドとコンテナのフィールドを共有することができます。
始める前に
Kubernetesクラスターが必要、かつそのクラスターと通信するためにkubectlコマンドラインツールが設定されている必要があります。 このチュートリアルは、コントロールプレーンのホストとして動作していない少なくとも2つのノードを持つクラスターで実行することをおすすめします。 まだクラスターがない場合、minikubeを使って作成するか、 以下のいずれかのKubernetesプレイグラウンドも使用できます:
バージョンを確認するには次のコマンドを実行してください:kubectl version
.
Downward API
Podとコンテナのフィールドを実行中のコンテナに共有する方法は2つあります:
- 環境変数
- ボリュームファイル
これら2つの方法を合わせて、Podとコンテナフィールドを共有する方法をDownward APIと呼びます。
Podフィールドを環境変数の値として使用する
この演習では、1つのコンテナを持つPodを作成します。Podの設定ファイルは次のとおりです:
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
name: dapi-envars-fieldref
spec:
containers:
- name: test-container
image: k8s.gcr.io/busybox
command: [ "sh", "-c"]
args:
- while true; do
echo -en '\n';
printenv MY_NODE_NAME MY_POD_NAME MY_POD_NAMESPACE;
printenv MY_POD_IP MY_POD_SERVICE_ACCOUNT;
sleep 10;
done;
env:
- name: MY_NODE_NAME
valueFrom:
fieldRef:
fieldPath: spec.nodeName
- name: MY_POD_NAME
valueFrom:
fieldRef:
fieldPath: metadata.name
- name: MY_POD_NAMESPACE
valueFrom:
fieldRef:
fieldPath: metadata.namespace
- name: MY_POD_IP
valueFrom:
fieldRef:
fieldPath: status.podIP
- name: MY_POD_SERVICE_ACCOUNT
valueFrom:
fieldRef:
fieldPath: spec.serviceAccountName
restartPolicy: Never
設定ファイルには、5つの環境変数があります。env
フィールドはEnvVarsの配列です。配列の最初の要素では、環境変数MY_NODE_NAME
の値をPodのspec.nodeName
フィールドから取得することを指定します。同様に、他の環境変数もPodのフィールドから名前を取得します。
備考: この例のフィールドはPodのフィールドです。これらはPod内のコンテナのフィールドではありません。
Podを作成します:
kubectl apply -f https://k8s.io/examples/pods/inject/dapi-envars-pod.yaml
Podのコンテナが実行されていることを確認します:
kubectl get pods
コンテナのログを表示します:
kubectl logs dapi-envars-fieldref
出力には、選択した環境変数の値が表示されます:
minikube
dapi-envars-fieldref
default
172.17.0.4
default
これらの値がログにある理由を確認するには、設定ファイルのcommand
およびargs
フィールドを確認してください。コンテナが起動すると、5つの環境変数の値が標準出力に書き込まれます。これを10秒ごとに繰り返します。
次に、Podで実行しているコンテナへのシェルを取得します:
kubectl exec -it dapi-envars-fieldref -- sh
シェルで環境変数を表示します:
/# printenv
出力は、特定の環境変数にPodフィールドの値が割り当てられていることを示しています:
MY_POD_SERVICE_ACCOUNT=default
...
MY_POD_NAMESPACE=default
MY_POD_IP=172.17.0.4
...
MY_NODE_NAME=minikube
...
MY_POD_NAME=dapi-envars-fieldref
コンテナフィールドを環境変数の値として使用する
前の演習では、環境変数の値としてPodフィールドを使用しました。次の演習では、環境変数の値としてコンテナフィールドを使用します。これは、1つのコンテナを持つPodの設定ファイルです:
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
name: dapi-envars-resourcefieldref
spec:
containers:
- name: test-container
image: k8s.gcr.io/busybox:1.24
command: [ "sh", "-c"]
args:
- while true; do
echo -en '\n';
printenv MY_CPU_REQUEST MY_CPU_LIMIT;
printenv MY_MEM_REQUEST MY_MEM_LIMIT;
sleep 10;
done;
resources:
requests:
memory: "32Mi"
cpu: "125m"
limits:
memory: "64Mi"
cpu: "250m"
env:
- name: MY_CPU_REQUEST
valueFrom:
resourceFieldRef:
containerName: test-container
resource: requests.cpu
- name: MY_CPU_LIMIT
valueFrom:
resourceFieldRef:
containerName: test-container
resource: limits.cpu
- name: MY_MEM_REQUEST
valueFrom:
resourceFieldRef:
containerName: test-container
resource: requests.memory
- name: MY_MEM_LIMIT
valueFrom:
resourceFieldRef:
containerName: test-container
resource: limits.memory
restartPolicy: Never
設定ファイルには、4つの環境変数があります。env
フィールドはEnvVarsの配列です。配列の最初の要素では、環境変数MY_CPU_REQUEST
の値をtest-container
という名前のコンテナのrequests.cpu
フィールドから取得することを指定します。同様に、他の環境変数もコンテナのフィールドから値を取得します。
Podを作成します:
kubectl apply -f https://k8s.io/examples/pods/inject/dapi-envars-container.yaml
Podのコンテナが実行されていることを確認します:
kubectl get pods
コンテナのログを表示します:
kubectl logs dapi-envars-resourcefieldref
出力には、選択した環境変数の値が表示されます:
1
1
33554432
67108864